あなたが落としたのは金の吸殻ですか?それとも銀の吸殻ですか?

世界名作吸殻劇場(私選)

5月31日は世界禁煙デーに制定されているらしい。
私は喫煙をしないのでタバコ自体にはあまり縁がないのだが、どういうわけか家の周囲でよく吸い殻を拾う。そのおかげで、手をつけられてないスティック状のタバコより、地に落ちてヨレヨレになった吸殻を見る機会の方が多い。
 
あまりに高頻度で見かけるため、最近はこの辺りに野生の吸殻の巣があるのではないかと疑っている。温暖化の影響で数が増えたのだろうか。
それとも、もしかしたら私自身に何か特別な力があり、吸殻が吸い寄せられているのかもしれない。吸殻だけに…。吸殻に優しく接していたらそのうち懐かれて言葉がわかるようになったりするのだろうか。そんなことになったら灰被りと呼ばれフェアリーゴッドスモーカーに灰皿の馬車を用意されてしまう。どうしよう。
 
だが、正直なところ、私はこれをもっと人為的な何かではないかと疑っている。荒唐無稽で誰にも信じてもらえないかもしれないが、ここだけの話『歩きながら吸っていたタバコの吸殻を道の端に投げている』人がいるのではないかと思っているのだ。
ではなぜそのような奇妙な行動をとるのか。
ずばり、それは『とあるきょうだい(成人済)が一定距離ごとに吸い殻を置いて、家に帰るための目印にしている』のだと思う。つまり、私がしつこく片付けてしまっているせいで、彼ら彼女らは家に帰れず同じところをぐるぐる回っているのだ。だから毎度毎度私の家の前に吸い殻を置いているのだ。かわいそう。
本来ならば彼らが吸殻を拾いに来るのを待ってあげるべきなのかもしれないが、生憎私は性格が悪いので、ちゅんちゅんとさえずりながら毎回吸い殻を拾って意地悪をしているのである。