ゆるゆる2022年

ゆるゆるしましま

新しい年を迎えると毎年のように、背筋が伸びるような、襟を正さなければならないような感覚を覚える。寒さも相まって身が引き締まる気がするのだ。しかしその気概は日に日に減衰し、結局長続きした試しがない。それどころか『今年こそしっかり頑張ろう』と例年以上に気合を入れた年に限って、やる気の減少速度が早いのではないかと思えるほどだ。
1、2月はそれなりに気を引き締めて生活しているものの、3月あたりから徐々に息切れし始め、4月は新年度の慌ただしさにただただ振り回され、死に体で連休までたどり着くも休み明けには五月病を患い、6月にもはやその年の折り返し地点まで来てしまったという事実を突きつけられ、焦燥に駆られ諸々の立て直しを図るも、その後やってくる夏の暑さで完全にとどめを刺されるのが一年のルーティンになりつつある。かわいそう。
今年こそ、この悲しき輪廻を断ち切るべく、私はとある作戦を編み出した。
『逆にしっかり頑張ろうと思わない作戦』である。まさに逆転の発想。
これは年初めに御大層な目標を掲げ、必要以上に、そして無意味に張り切る事で、ただでさえ人より少ない体力と気力が過剰に消費され、その消費スピードに焦ることでさらに無駄なエネルギーを消費し、結果的に枯渇させてしまうという問題を解決することができる画期的な作戦である。気負い過ぎずに肩の力を抜いたほうが物事がうまく運ぶこともあるということだ。2022の中に3つも含まれている『2』の文字もなんとなくぐんにゃりしているし。今年はきっとゆるゆる推奨なのだ。
よって今年は特に一年の抱負などは掲げないことにするし、当然去年の目標が半分も達成できていないことなども特に振り返らないし反省もしない。