憧れのアナログ・雪だるまとコラージュ編

cottonsnow&Mr.winter

突然だが、作ったは良いが持て余して鍵をかけていたTwitterを使用し始めてみた。

まだ不慣れなのでどの程度活用できるかわからないが、少なくとも更新のお知らせなどはする予定なので、よろしければフォローしたり時々覗いてみたりしていただけるととても嬉しい。
それに伴い、私が何者かがわかりやすいよう、肩書きにバーチャルとつけてみようかと思う。
『バーチャル実在する架空生物』とてもわかりやすいな。
冒頭から事務的な内容になってしまって申し訳ない。
 
近頃は一段と寒くなり、私も電子機器も頻繁に睡魔に襲われて意識を手放している。それなりの年月を重ねた我が家は、暖房器具を消すと途端に室温が下がり、朝方などは最早外と言っても過言ではない程だ。室内にいながらアウトドア気分が味わえる。これがグランピングというやつなのだろうか。なかなか趣があって良い。
 
今回はそんな季節にちなんだ作品を制作した。
現在アナログ強化月間のため、主な素材としてコットンや毛糸などを使用し、それらをスキャナーで取り込んで加工、雑誌を切り貼りしたコラージュ風に仕上げた。
つまりアナログ素材をデジタルデータにしてデジタル加工でアナログ風にしたということだ。丑年なので反芻もやむなし。
 
数年前、本物の雪だるまを作ろうとしたのだが、その時私は俗にいう『雪かきハイ』になっていた。
目の前の雪を一心不乱に掬っては投げ掬っては投げ、これをひたすら繰り返すことでコートもマフラーもいらないほどに体温は上がり、引きずられるようにテンションも上がっていた。一仕事を終えて気も大きくなっていた私は、竜を象った雪だるまを作ろうなどと考え始めていた。せめてヤモリにしておけばよかったのに。
あまり公にはされていないが、雪というものはものすごく冷たい上に左右反転やコピーアンドペーストができなない物質である。その事実に気づいた段階で私の中の熱意も体も大分冷めてきていた。さらに冷静になり雪をよく見てみると、なんとなく明度が低いのだ。もう少しはっきり言うと薄汚いのである。雪かきの際シャベルやスコップで無造作に集められ、剰え土足で踏み固めたものなのだから当然だ。その上手袋にも泥が付いていたため、雪にさわれば触る程望まぬエイジング加工が施されていく。
ここまできてようやく、この雪だるまはろくな出来にならないであろうこと言うことを悟った訳だ。何よりもう寒くて限界だった。
 
結局完成したものは、長く伸ばせず突起の域を出なかった角、石の嵌め込みに失敗してできた眼窩の虚、尖らせようとして崩れ平らになった鼻先をもつ、どちらかというと頭蓋骨寄りの球体という代物だった。
中途半端に顔になってしまったせいで、踏み壊すのも躊躇われ、仕方なく玄関先に置いてみたのだが、正体不明な生き物の頭蓋骨を晒しているかの様相を呈した。乾燥させてすり潰すと魔法の粉ができるのだろう。その上ひさしの日陰に入れてしまったせいでなかなか溶けず、結局雪の頭蓋骨は丸一日その場に止まり続けていた。ゆっくりしていかないでね。
夜の闇に白くぼんやりと浮かび上がる様は言葉にし難い凄みのようなものがあり、翌日の陽気で溶かされた後、地面には存在を刻み付けるかの如く水の滲みができていた。
 
その時私は「次に雪だるまを作る時は雪以外のものを使う」と心に決めた。翌年あたりにデザインを定番のシンプルな物に改め、レジンを用いてリベンジに挑んだのだがバックアップの取り方がわからず断念した。
だから今回は、実際の雪で作れなかった雪だるまをアナログで作れなかったのでアナログで作った雪だるまをデジタルで作った訳だ。