プレゼントはセルフで

スノードーム

イルミネーション、チキンにケーキ。クリスマスの楽しみは数あれど、真っ先に思い浮かぶものはやはりプレゼントである。『クリスマス当日目が覚めた時、枕元に見知らぬ箱が置いてある』というあのシチュエーションに心が躍るのだ。
しかし何故か、我が家には近年サンタクロースからのクリスマスプレゼントが来ていない。どういうことだこんなにいい子なのに。年齢制限があるとの噂もあるが、もしそれが本当ならばその制度は些か旧時代的すぎるのではないか。
 
しかし何事も他人に期待しすぎてはいけない。サンタクロースが来ないと言うのならプレゼントは自分で用意すれば良い。一年間頑張った自分への慰労、所謂ご褒美というやつだ。
そもそも『プレゼント』というものは、いただいて嬉しいのはもちろん、誰かに贈ることで得られる幸福感も醍醐味の一つである。相手の喜ぶものは何かと頭を捻り、いくつもの商品を比べ、ああでもないこうでもないと予算内で気の利いた品を探す工程は案外楽しいものだ。自分で自分へプレゼントをすると言う行為は『もらう喜び』と『贈る喜び』を両立させる事ができて一挙両得なのである。
 
さて、せっかくのプレゼントならば、手に入れて「はいおしまい」では味気ない。
リボンをかけたり包装紙で包むなど、自分宛だからと怠らずにラッピングを施すと、より一層プレゼント感が出て素敵だ。もちろん購入時にプレゼント包装のオプションをつけても良い。「どうせすぐ自分で剥がすのに自分で包むの虚しくない?」との声もあるだろう。その意見はとてもよくわかる。だがこのラッピングは単純に見栄えが良くなるという利点だけでなく、包装用紙を剥がす時のワクワク感を味わうために必要なものなのだ。
さらに受け取り方も工夫すると、よりプレゼントをもらった時の喜びを味わう事ができるはずだ。やり方は簡単。寝る前に先ほど包装したプレゼントを枕元に設置し、そのまま一晩眠るだけ。翌日目を覚ますと、なんと不思議なことに枕元にプレゼントが置かれているではないか。まるで冒頭に書いたシチュエーションを誰かが再現しようとしたかのようだ。あとは心の赴くままワクワクしながら開封しよう。
 
ちなみに、忙しくて自分用のプレゼントなど買う暇がないという場合は、普段使ってるスマホやメガネを包装し、プレゼントとして枕元においておくと良い。
翌朝目が覚め、手にとったクリスマスプレゼントは驚くほど、そう、まるで昔から自分のものであったかのようにしっくりと手に馴染むだろう。