花よりアップルパイ

春の庭

 

3月下旬ともなると徐々に暖かくなり、どこからともなく花びらが舞い込んだりと春の訪れを感じる機会も増える。

それに伴いブログの壁紙も春仕様に変えてみた。やはり花はいい。

 
ここ最近、年度末の忙しなさで頭の中の花畑が荒れ放題なのだが、では具体的に何に忙しかったのかと聞かれると、思い浮かぶのは『遭遇したくない虫ランキング』を作るなど些細な用事ばかりだ。詰まるところ体感多忙度が高いのであり、要は『なんとなく落ち着かない』だけなのだ。
だがこの『なんとなく落ち着かない』は地味に厄介者で、人の気を散らし焦らせ、どうでもいい事柄に勝手に重要急務の付箋を貼り付け、実在する架空の仕事を生じさせるなど、ろくでもないことばかり引き起こすのである。一昨日など落ち着かなさが勢い余って、深夜1時過ぎに突然アップルパイを焼き始めるという奇行に走ってしまった。
気もそぞろに行動しているため、至る所で確認不足や細かな手落ちが発生し、一つの物事にいつも以上、予想以上の時間を要することも多い。それどころか失敗を修正するためのタスクが新たに発生し、その修正に失敗してその失敗を修正するためのタスクが発生するなど、却ってタスクが増殖していくことも少なくない。タスクはプラナリアの親戚だったのだ。
 
そんな風に空回ってしまう落ち着かない時こそ、一度手を止め、綺麗な花でも眺めて一息つくのが肝要なのではないだろうか。花は静かに目を楽しませ、心を慰めてくれるのだ。
 
そもそも焦ろうが慌てようが、どうせやらなければならないことは時が来ればやることになるのだし、実利を考えるならば、尚のこと一息入れてスムーズに事を進める方が断然得なのである。
しかしその判断も心にゆとりがあってこそ。
やはり無理にでも適度に休憩を挟む必要がある。入れたての紅茶やコーヒーをじっくり味わいながら、うららかな心持ちと頭の中のお花畑を取り戻すのだ。
だがティータイムを存分に楽しむには茶菓子が必要になってくる。例えばアップルパイとか。