ハロウィンに張り切って巣を張る蜘蛛

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今年もハロウィンがやってきた。
イベント事に疎い私がハロウィンのどこに楽しみを見出しているかと言うと、前回似たようなことを書いが、単純に、コウモリをはじめ幽霊や骸骨、墓地やら蜘蛛の巣など、あまり一般的でないモチーフが市民権を得て大手を振って店頭に並んでいる様を眺められる所なのだ。
依ってハロウィンだからと言って、仮装をしたり部屋を飾ったり、別段変わったことをする訳ではない。この服?部屋着ですけど…
とにかく、私が自発的にインテリアを変えたりすることはないのだが、庭先などを天然ハロウィン仕様にデコレーションしてくる生き物がいる。
蜘蛛だ。
そこで今回は蜘蛛の話をしようと思う。
大した話ではないし画像や写真は載せていないが、虫がとてつもなく苦手で話も聞きたいくない、『クモ』という名を聞くのも文字を見るのも嫌だという方は、続きを読まずに私の綺麗な顔だけ眺めて帰っていくことをお勧めするぞ。

 

拙宅には季節問わず一定数の蜘蛛がいる。ドン引きするときは態度に出さないのがスマートだぞ。

なぜか今年は特に多く、最近はほぼ毎日蜘蛛と遭遇しているような気さえする。
現状人間より蜘蛛と顔をあわせる機会の方が多いと言っても過言ではない。
顔を合わせすぎて口元の動きとか無駄に観察してしまった。
しかし、蜘蛛に限らず、徹夜明けの早朝、これから寝ようと言う時に限って虫と鉢合わせするのはなぜなのだろう。早寝早起きなのだろうか。夜行性の私はこれから眠りにつくと言うのに。
虫以下の生活リズムを少々気にしつつ、ポテトチップスの入っていた筒状紙パッケージを用いて蜘蛛をキャッチアンドリリースする。
これが私の日常だ。素晴らしい。薔薇色だな。
 
このように、ハロウィンなど関係なく普段から蜘蛛と同居している状態なのだが、なぜだかこの季節になるといつにも増して蜘蛛の巣が増える。
それも外門であったり玄関扉の前であったり、目につく場所、必ず通らなければならない場所にばかり巣が張られる。
ハロウィンに浮かれた世間の空気を読んだ結果、逆に空気を読めていない場所に巣作りしてしまっているのだろうか。その不器用さ、なんだか少し共感してしまうな。
しかし、いくら蜘蛛に対して心を寄せようとも、私の体が夜型インドア仕様であろうとも、全く外出せずに生活している訳ではないため、扉や門に巣を張られてしまってはそれを壊さざるを得ないのだ。
厄介なことに、蜘蛛たちは少し目を離した隙に、以前壊された場所と全く同じ所に巣を作る。
しかも仕事が早い。遅筆な私への当てつけか。
無論私が通るたびに巣は破壊されるのだが、蜘蛛は決してあきらめずに粛々と巣作りに励む。
私が蜘蛛の立場だったら一度破壊された時点で虚脱状態に入っているであろう所を、蜘蛛は不屈の精神でその日のうちに修復作業を開始している。
そんな健気な蜘蛛たちに対してこのようなことを思うのは、いささか心苦しくはあるのだが、ものすごく他所でやってほしい。
その高潔な精神、他所で発揮してもらいたい。
 私とて好きで繰り返し蜘蛛の住処を崩壊させている訳ではない。
蜘蛛が小さな体で一生懸命汗水垂らして作ったお家を、無慈悲な箒の一振りが無残に破壊する様は、いつ見ても胸が軋む。軋むだけだが。
何も敷地から出て行けとか、そう言う話ではなく、私はただもう少し空気を読んだ場所に巣を作ってほしいだけなのだ。
 
しかし改めて思い返してみると、精神力が強く、たくさんの仲間と暮らしている蜘蛛と、そんな蜘蛛の家を執拗に叩き壊す私。
これもう実は私が蜘蛛の敷地に住まわせていただいている形になるのではないか。
多数決の原理からいっても蜘蛛に分があるのでは。
むしろ私が一番空気を読めていなかったパターンなのでは。
なるほどその類の話だったか。
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